2011/12/28

2011年。平成23年。締めの言葉。です。





 「あと何日かで、今年も終わるけど」

 みなさんにとっての、2011年はどのような年だったのでしょうか?

 僕にとっては、普通の年でした。

 こんな言い方はちょっとおかしいかも知れないけど、すみません。僕、捻くれ者なので。本当は、沢山、色々ありすぎるくらいの出来事がありました。だから、例年よりも特別な年であったのは事実です。でも、この、2011年という年を特別な年に敢えてしたくないからして。普通の年でした、と、言ってみました。

 特別な年ってない!と思ったりする人間なのです。だって、一日たりとも同じ日はやってこないから。世の中や、身の回りで起きた出来事を、何かの計りで比較して、大小で区別することは可能だけど、その重みや軽さは誰にも決められない。決めるのは自分だから。それに、2011年を特別な年だと言い切ってしまうと、過去や未来が薄れてしまいそうなのです。来年は、今年より特別じゃないような気持ちになっちゃうし、過去の年があまり重要じゃなくなっちゃう気もする。だから、普通だったと、言ってみるのです。でも、その、普通には、沢山のことが詰め込まれています。

 今更言うまでも無く、今年は、東日本大震災がありました。その前後では、直接的にも間接的にも、僕の目の前に広がる景色は一変しました。突然の天変地異。これに飲み込まれる非力な人間。その後繰り広げられる、原発の安全性の是非。これに掻き乱されて真実を未だ掴めないままにいる人間。天災と人災。それがないまぜになって、まだまだ震災の影響は続いています。来年だけではなく、来年以降、ずっと、ずっと、ずっっっっっと、続いていきます。それが巻き起こった年が、2011年です。これは紛れもない事実で。今年を振り返るのに欠かせない要素であります。

 個人的なことを思い出すと、今年ほど、「保坂壮彦って何?」ということを問われる場面に出くわすことが大きかった年は無かったのかなって。11月に40歳の大台に乗ったというものあるかもしれないけれど。もう、既に、保坂壮彦の人生の半分を生きてしまったということ。生かされたということ。それを目の前にして、様々な景色が、様々な人達が、己に対して、「あなたは誰?」ということを突きつけて来たことが多かった気がします。ていうか、親父は59歳で死んでるんで、あと、19年経てば、もう、親父の天命を全うした年齢になっていまうという。ていうか、親父の人生の3/4ほど、消化してしまったという。そんなことも考えさせられました。

 震災で多くの方が亡くなられましたが、個人的に、元旦から親戚の叔父が亡くなったりして。近親者が今生を全うし、召されたということもあって、「生きる」「生かされる」ということも、例年以上に考えさせられることが多かったです。

 あとは、人、です。人。自分が日々、今日を刻んでいくに当たって、人、の大切さを感じた年でもあるかなと。例年以上にそういう思いが駆け巡っています。

 語ると長くなるので、ひっくるめて完結に言うと、やっぱり、12/14に『ALL IS LOVE IS ALL』というMIX CDをリリースさせて頂いたというのが自分の中では、大きかった。勝手ながら、自分の今までの人生があってこそのCDであると。それら全ての感情を詰め込んで制作したものなので、本当に、自分にとっては記念碑的作品であるとともに、先に述べたように、「保坂壮彦って何?」の回答を、一旦、この作品で出せることが出来たということが、何よりもでかいことだったのではないかなと。思うわけです。

 といいつつ、まだ今年が終わるまで、後、4日あります。今日から、CDJ11/12も始まりました。保坂壮彦的には、まだまだ年内中に、年明け早々にやるべきこと。DJで音を届けることが待っています。年末は、今回で9回目の出演。9回って簡単に書いたけど、改めて考えると、凄いことだね。なんか。凄いや、俺(笑)。たまには自画自賛させて下さい。決して天狗にはならない人間なんで(笑)。30日と31日深夜(てか元旦早朝)。2回の出演に思いの丈を全て注ぎ、みなさまに届けます。やれること色々考えてます。といっても、派手なパフォーマンスをやれるほど度胸もないので、音で勝負です。それと、多少映像の手も借ります。それで、9回目のCDJに挑みます。幕張で会える方、笑顔で、会いましょう!逝ってしまった大切な人達の為にも、ここやそこにいるあなたや僕は、音楽で、がむしゃらに、命を躍動させましょう!!

 「世の中は色々あるから、どうか元気で、お気をつけて」

 皆様にとって、来年も、今年と同じく、日々が光り輝きますように。

 2011年に体感したブルースを感情に刻み、2012年、より強く歩めますように。

 幸あれ!






2011/12/18

ちょっとした『ALL IS LOVE IS ALL』制作秘話的な、話。



 気がつけばもう今年もあと何日?…ていか「COUNTDOWN JAPAN 11/12』が開催されるまでもう10日を過ぎてるんだね。て、こ、と、は、あと2週間か…。光陰矢のごとし…。今年は、30日、31日に出演します。つっても、31日に至っては、元旦って言ったほうがいいよね。だって、深夜?明け方?AM3:40からAM5:00までだもんね。最後の最後のアストロ・アリーナ出演者ということになりますからね。ていうか、おじさん、大丈夫かな…。

 12/14にリリースされた『ALL IS LOVE IS ALL』。リリースされてから、周りの色んな人に様々な質問をされることが多いのですが、その中で、一番多いのは、『いつぐらいから制作作業をしていたんですか?』ってのが多いっす。『どんだけ大変でしたか?』とかとか。

 実質的に動き出したのは、8月初旬くらいからになるのでしょうか。いや、実を言うと、リリースのお話は以前から頂いていて。何事もなければ、もう少し世に出るタイミングが早くなっていたかも知れません。なぜこの時期になったのか…? 直接的、間接的、いろんな「的」を含めて、東日本大震災の影響があったから、この時期にリリースされることになったのが一因です。でも、それは、誰にも逆らえないことであった訳で。あの震災があって、僕が音楽で出来ることなんて、ほんのちっぽけなことなんだから、致し方ないと思っていたので。粛々と受け止めて、些細なことでもいいから、僕に出来る何かを探していました。
 そこで、今回、僕の作品にコメントを寄せてくれた、チャットモンチーのアッコちゃん。彼女の言葉にも書かれているように(こちら)、あのとき、僕は、DJとして、何が出来るか。出来ることは何か。を模索していたところで、「音楽を届ける」ということで、彼女とリンクし、近づいて、どれだけの人にどれだけのものを届けられるか。暗中模索の中、届け続けていました。結果はわかりません。でも、僕の出来ることはあったんだと。そう実感させてもらえたのは事実でした。それから、改めて、ビクターの方からリリースのお話しを頂き。8月から動き出したという感じです。感謝しきれないほどの喜びでした。

 よし。では、どんなMIX CDにするか?ということになるわけですが、例の、震災の件があったし。その時期に、僕に出来ることっていうことを再認識したわけなので、大枠としてのテーマというものは僕の中で出来上がっていました。それを象徴するのが、CDのタイトルになった、『ALL IS LOVE IS ALL』です。本来ならば、ロックDJのコンピには似つかわしくないタイトルですよね。でも僕が、個人サイトにこの名前を使い続けてきたこと。『保坂壮彦=ALL IS LOVE IS ALL』という世界観を、スタッフが尊重してくれて。というか、その名前で出すことに意味がある、というくらいでね。僕としては、もう、このタイトルがついただけで、やることは決まった、みたいなところはありました。僕が感じ続けたものを総ざらいし、今、そして、未来に向けて鳴らす音楽を、DJとして紡いでいくということ。それだけです。が。が。が。それだけです、というのに、かなり苦労しました。
 「愛」に正確な定義が無いように、「僕」にだって正確な定義が無いから。なので、とにかく、自分が保有している音楽を全て総ざらいして。数千曲に渡る楽曲から、洋楽を削除し、残った数千曲の中から、「今、鳴らすべき音は何か?」を試行錯誤し。一旦まとめて、約4-500曲くらい。そこから、さらに削ぎ落としの作業が続きました。そこからは苦渋の決断の日々。DJとして繋いでいくスキルを発揮出来る楽曲を選んだり、そんなことは関係無しに、今、届けたい楽曲を選んだりして、日々思案しながら、ようやく40曲ぐらいまで絞り込んだわけです。

 そこから、色んな壁を越えたり、ぶち当たったり、壁に無理矢理穴を開けてしまったり。知らぬまに、落とし穴に落ちてしまったり。それでも、あり得ない偶然やサプライズも降り注いで。意図していなかったことが偶然という必然の魔法で、ばしっと決まったり。何事も、全てが上手く行くとは思っていなかった。だから、色んなトラップにはまったり、ピンポイントで打ち込まれて凹んだりしたけれど、それを超える、人為的なスタッフの皆様の協力と、人為的な力以上の何かが手助けしてくれたりして作業は進んで行きました。

 僕の思い、感情というものの基軸は、既にタイトルで大決定していたけど、じゃあ、DJプレイとしてどう繋いで、紡いで行けばいいのか?と。これももう、何十回、何百回?自宅で、七転八倒しながら、作業を続けていました。

 「あれとこれを繋いでこうなるから、こうする」「いや、これがこうならば、あれはあっちのあれとリンクさせよう」「ビートはもう少し落とす。そうすれば、前の曲が弾ける」「ここの3曲は、アーティストが伝えんとしている思いとしての共通点が似通っているから絶対に切り離さない」とかとか…。とにかく、基本路線として、聴き手に不快感を与えるような繋ぎ方にして、リスナーの気持ちとアーティストの思いを損なってしまったら、絶対に意味が無いという。その考えは絶対に忘れずに挑んでました。さらに、既に色んなところで述べていますが、起承転結、この作品1枚を頭からずっと聴き続けて最後に至ってこそ全てがわかるというような内容にならないように、至極、繊細になっていました。あと一番重要視していたのは、アーティストの思いが込められた楽曲を、僕の身勝手な理由や独断で、短くカットし、ひたすら数多くの楽曲を詰め込むという作品にならないようにする、ということ。

 こんなそんな時期を通して、この作品が出来上がりました。

 なんか、伝え下手になっているような気がするんだけど、気のせい?じゃないよね?かなり、アバウトな文章になっているよね?でも、これで伝えきりたい。これで、伝わって欲しいんです。もうこれ以上言葉にするのは、音楽に対して、言葉の数々によって、カタチある思考でがんじがらめにして、聴く前に、情報過多にさせてしまいそうで。なので、もうこの辺で終わりにします。

 とかいいつつ、ほんと、書き始めると、僕って文章長いんだよね。

 すみませんね、みなさん。

 ここまで読んでくれた人は、素晴らしい!(笑)

 ということで、ちょっとした(じゃねぇぞ。長すぎだぞ的な)『ALL IS LOVE IS ALL』制作秘話的な、話でした。

 とさ。




2011/12/13

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツを書き終えて…。


 収録楽曲、全曲のセルフライナーノーツを連載方式で書き終えました。

 明日、とうとう『ALL IS LOVE IS ALL』が世に出ます。

 やっと『ALL IS LOVE IS ALL』の誕生日が来たんですね。

 早いところは、もう今日から店頭に並んでいるのでしょうか…。


 『ALL IS LOVE IS ALL』というこのアルバムは、「すべてが愛」「愛がすべて」という僕の造語にて名付けられたアルバムであります。改めてなんとも大仰なタイトルを付けたもんだなぁと、自ら思うけど、それは、保坂壮彦のオフィシャルサイトとして『ALL IS LOVE IS ALL』という名前を付けた時も、そう思ったことで…。実際、僕は、“愛とは何か?”と人に問われても、答えなんか出せません。だって、そんなことが解っていたら、こんなタイトルは付けるはずないですからね。当たり前のように、僕は、愛の全てを知らない。いや、少しは知っているのかもしれないが、それがどんなものなのか表現できない。ただ、愛というものがどれだけ大切な感情かということは、解る。どれだけ大きなものかということも解る。でも、それに対して言葉で伝える術を知らない。でも僕は、伝える術と、知る術を知っている。それが、音楽なのです。
 いろいろな表現者が様々なフォーマットで、人間の根源的なことを伝え続けて来ている。その中で、愛というものも、数え切れない人達が、数え切れない解釈で伝え続けてきている。その中で、僕は、音楽から愛を知った。別に、無理からに、説き伏せられた訳ではない。ただ音楽を通じて、愛というものの存在を初めて知ったのです。だからこそ、僕は、音楽を信じるし、愛を伝えてくれる音楽の魔法を信じ続けているのです。
 改めてこのような形で、全曲セルフライナーノーツを書いてみて、28曲、全部の曲に感化されて感情を揺さぶられた自分がいたことを再確認しました。そして、その思いを、『ALL IS LOVE IS ALL』というアルバムで、音楽で届ける前に、この場で言葉で伝えることが出来て良かったと思ってます。だけど、だけど、だけど、ね。言葉じゃないんだよね。音楽を説明するのに言葉は必要だけれども、不可欠ではない。音楽は音楽だから。それ以外の何物でも無いから。だから、この僕のセルフライナーノーツを読んでくれた人に感謝の意を届けつつも、とにかく、『ALL IS LOVE IS ALL』というアルバムに詰まった音楽を是非とも聴いてもらいたい。それがなければ始まらないから。
 聴いて下さい。聴いてくれれば、その時点から、僕のセルフライナーノーツは必要じゃなくなるのです。音楽は、リスナーのものです。作り手が産み出したものですが、届けられたリスナーが聴いて、そこから産まれる感情がその音楽の全てを決めるのです。敢えて、わがままを言わせてもらえれば、そこに何かしら、愛というものの欠片を感じてもらえれば僕は本望です。

 もうそれだけです。

 是非、聴いて下さい。

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 26〜28



- 26 回想する/ 木箱

 アルバムが終わりに近づくにつれて、タイトルが示す通り、「回想する」気分になる楽曲。昨今の音楽は、オーバー・ワークス、オーバー・プロデュースが多い楽曲が多い。そんな中、彼等の音楽は、音数が少ない。ということは、簡素なのか?チープなのか?と思うのだろうが、そんな簡略的な解釈では困る。音楽というのは、音が鳴っていない部分も含めて音楽なのだということを解って欲しい。その音の配置、並び、など。絶妙に構築されているからこそ、彼等の音楽はシンプルでありながらも奥深さを感じるのだ。故に、次なる楽曲への架け橋としてとても流麗に繋げることが可能に…。それも、ボーカルのブレスがポイントとなり、絶妙に繋げることが可能に…。


- 27 STROBOLIGHTS / スーパーカー

 僕がDJを、主に邦楽を主体とした選曲でDJをプレイし始めた頃からの、私的究極のアンセム。“愛”という言葉が幾重にも連なり続ける歌詞。『ALL IS LOVE IS ALL』というタイトルにぴたりと当てはまる、リリックなのです。主にシングルバージョンをスピンすることが多かった時期もあったけど、このアルバムバージョンの方が、時代と共にしっくり来ているのです。深遠さ、穏やかさ、流れるようなメロディーラインがシングルよりも優る。そして、このBPMは、ハウスのビート、BPM128に寄り添うような流れでもあり、邦楽に限らず、四つ打ちのトラックに絶妙に繋げることが可能なのです。さらに、後半に向けて、ボーカルが高音域に抜けて行き、終焉を打つように、ビートが名残惜しく刻み続けられるところが、素晴らしく。次なる最後の楽曲と繋げるに、とても絶妙な効果をもたらしてくれています。


- 28 アルクアラウンド / サカナクション

 最後にサカナクション。それも「アルクアラウンド」。意外に思われる人もいるかもしれないが、この楽曲を最後に繋ぎ込めたことで、『ALL IS LOVE IS ALL』というアルバムを、そのままリピートして聴いても、1曲目の「キャノンボール」になんの違和感もなく流れていくという。終わりなき螺旋状に響き渡る輪廻のようなアルバムにすることが可能になったのです。イントロをループさせて、「STROBOLIGHTS」のアウトロから繋ぎ込み、楽曲そのまま収録させて頂きました。
 この楽曲で歌われる決意というものを最後に持って来たのも、いや、結果的に持って来れたのも、このアルバムを象徴するかのような事実になった。“この地で (終わらせる)(今始まる)意味を探し求め また歩き始める”…。この歌詞に込められたものが、このアルバムの最後に届けることで、『ALL IS LOVE IS ALL』という作品には、始まりも終わりも無いということを証明することになった。
 故に、終わりにふさわしいと言えばふさわしい楽曲。でも、この曲から始まるアルバムと言えば、それにふさわしい楽曲であるのです。
(終わり)


2011/12/12

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 23〜25



- 23 orange sunshine distortion / The Flickers

 今回のアルバムを創るにあたって、“ニューカマーバンドを収録したい!”という思いがあった。まだ世間一般的に認知度が狭いけれど、今後必ず活躍飛躍して行くであろうバンドの音楽を伝えたいという思い。その思いの結果、彼等のこの楽曲を収録するに至ったのです。全ての楽曲に言えることになるけど、このアルバムで初めて出会った音楽をきっかけとして、そのアーティストのことをより深く知ってもらえれば、もうそれは、DJ保坂としての本望を遙か超えるほどの喜びなんです。
 彼等の音楽は、アンダーグランドミュージックで終わらない。ビート感や楽曲が醸し出すダークネスと、心地よいポップなメロディの融合。和製ニュー・オーダーとも言えるような、音楽性も最高のバンドなんです。


- 24 Electric Surfin’ Go Go / POLYSICS

 今となっては当たり前のようになった、ロッキング・オン主催のフェスでのハヤシ氏のDJプレイ。初めて体感したときの衝撃度は凄かった。最高に上がるし、笑えるし、踊れるし。ほんと、いつの間にか名付けられた、“DJという名の不法集会”は、もうフェスにはかかせないアクトになった。それがあるからこそ、あったからこそ、僕の中でのPOLYSCS愛が膨らんだと言っても過言ではない。
 そんな思いも込めて、僕が彼等の曲を自らのMIX CDに収録するならば…これだ!これしかない!と。他に選択肢はなかった。これしかなかった。理由は沢山あるが、僕にとってのPOLYSICSはこの楽曲なんですよ。


- 25 Delight Slight Lightspeed / avengers in sci-fi

 “ロックンロールはイントロの10秒〜15秒を聴くだけで、それが名曲か名曲じゃないかが解る”ということを、以前先輩から教わったことがある。それが全てとは言わないが、確かに僕もそう思うのだ。その楽曲が名曲であるのならば、“どこを切り取って聴いても素晴らしいと思えるはずだ”という暴論さえも僕は吐いてしまうほどの極端な人間でもあるのです。そんな観点から行くと、もう、彼等のこの楽曲はイントロ部分で昇天でしょう。昇天ということは、名曲なのですよ。昇竜拳!の如くのイントロダクションで、はい、決まり!です。
 そこからサビに向かっていき、力強く突き進みながら、ブレイクダウンしたところで、ビートを敢えて落とし込んで、次なる楽曲へバトンを渡すように…。

2011/12/11

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 19〜22



- 19 ミンガスファンクラブ / SOIL&"PIMP"SESSIONS

 僕も敬愛するジャズ界の、ハード・バップの異端児ベーシスト、チャールズ・ミンガスの名曲を、爆音ジャズで、奏でる様はまさに奇天烈極まりない。
 このアルバムは邦楽を詰め込んだロックDJ MIX CD。故に、邦楽以外のカテゴリーを入れ込むことは不可能だった。その壁をなんとか乗り越えたく、彼等のこの1分強しかないナンバーで、なんとかぶち破りたかったので収録しました。短いけど、濃密な歴史と思いが込められていると感じてもらえれば本望です。


- 20 オトナノススメ / 怒髪天

 デス・ジャズから一転し、鳴らされるは、怒髪天のナンバーだ。世間的に、もう、おじさんになってしまった僕にとって、おじさんとしての大先輩である彼等のストレートな人生賛歌は、染みすぎるほど染み渡るのです。ここ数年、おじさんだけではなく、年齢層を選ばず、様々なリスナーに支持を受けて、さらなるスピードと多岐に渡る活動を行っている姿は、もう、頭が上がりません。
 大人は最高!青春続行!などなど。若造から見れば、何言ってんだよ、的な。そんな思いを歌詞に込めて歌いあげる事が出来るのは怒髪天だからこそ。それだからこそ、励みになる。とても頼りになる大先輩っす。


- 21 アフターダーク / ASIAN KUNG-FU GENERATION

 振り返ると、90年代の日本のロックはとても自由度が広かった。欧米の音楽に感化されて、オリジナリティ溢れる音楽を開陳する才能溢れるバンドが多々いたのだ。しかし、00年代になり、Jロックという、見えない解らないカテゴリーが構築されて、日本のロックは平坦化され希釈されてしまった。しかし、それを正面から受けとめて、デビュー以来、日本のロックバンドとして進化と深化を突き詰めながら、10年代も突き進むであろう期待を背負う意志を強く持つバンドは彼等しかいない。
 そんな彼等の代表曲の中でも、この「アフターダーク」に込められた意志と決意は、何よりも強い。“進め”という一言に、あらゆる思いを託して、音楽の素晴らしさを伝えたく、セレクトさせてもらったのであります。


- 22 青い空 / くるり

 DJたるもの、自分の中で、“この曲とこの曲を繋ぐことは俺の中での十八番である”的なものがあるはずで、それは、僕の中にも多々ありまして。その中でも、「アフターダーク」とこの「青い空」を繋いでプレイする頻度は高い。
 僕の持論で、“BPM、ビートが近い楽曲同士は、その楽曲が示すテーマや世界観をも共有していることが多い”というのがある。楽曲が持つ歌詞の意味合いも含めて、ギターの音色やベースラインの流れなども含めて、だ。それがこの2曲。そうやって聴いてもらえると、今までに無い発見を見いだしてくれるかもしれない。そんな期待をこのMIX CDのあらゆる場面で、あらゆる角度で、詰め込んでいるんですよ。実は。この2曲の繋がりだけじゃなくてね。それを感じてもらえれば、本望であります。

2011/12/10

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 14〜18



- 14 Kill your idol / KING BROTHERS

 酸いも甘いも知り尽くした彼等が8年振りにメジャー復帰。その1発目に届けられた楽曲がこれ。インディーだろうが、メジャーだろうがそんなのどうでもいい世の中になってしまったが、当然の如く、メジャーシーンで放つ数々のロックロールの広がりは、インディーよりも広しなのは明らかだ。それを逆手にとって、いや、相も変わらず、「これこそがロックンロールだぜ!」という、証をより万人に突き刺すことを意図的だろうがなんだろうが、とにもかくにも強烈に放つっている。リスナーにロックンロールとはなんたるか?を説き伏せるかのように鳴らしまくっている、痛烈なトラックだ。
 ここから始まる、このアルバムのロックンロールモードの号砲として収録。


- 15 FOOL GROOVE / YOUR SONG IS GOOD × BEAT CRUSADERS

 ユアソンとのコラボではあるが、そのケミストリーが功を奏したかどうかはもうどうでもいいほどの、ビークル史上、1、2を争う、最高のロックンロールポップチューン。必ずといって良いほど、この楽曲を僕はDJでスピンし続けている。他にも沢山、伝え続けている楽曲はあるが、この楽曲のイントロから始まる全てのクオリティの高さが、僕にこの曲をスピンさせることになっているのだ。
 どんな状況であれ、イントロドン!で、すでにこの楽曲の世界に入り込める、強烈なナンバー。それをもっと強烈に打ち付けたく、「Kill your idol」で歌われるリリックの後に、ぶち込んだわけなのです。


- 16 For divers area / Dragon Ash

 ロックアンセムというものはこうあるべしと言ってしまってもいいくらいの、最強のミュージック。音楽を全身で、肉体的に体感し、思考を遠くに追いやって、ただひたすら浴びる。そして、踊る、叫ぶ、暴れる。音楽は自由だ。音楽が鳴っているその瞬間だけは、なんでも許される。そんな多幸感を存分に堪能出来るナンバー。
 前曲、「FOOL GROOVE」のグルーヴ感を損なうことなく、さらに強力な流れになるように繋ぎ込みました。


- 17 風吹けば恋 / チャットモンチー

 2011年に巻き起こった様々な哀しみを振り返って、僕らにとって今必要なのは、何かを思うこと。何かを祈ること。何か行動を起こすことだと思う。そのきっかけをこのアルバムで表現したく、この楽曲をセレクトしました。彼女達が伝えるメッセージ。「行け!」というフレーズ。この一言がこのアルバムを創り上げるのに必要不可欠であったのです。さらに、どうあれなんであれ、人は人。私は私。というリリックの秀逸さを改めて握り締めて欲しいのです。
 千差万別。色んなことがあった2011年だけど、絶対に失ってはけない自分というもの。そして、とにかく歩みを進めること。それを、今、改めて実感してもらいんです。この「風吹けば恋」で。


- 18 ジェットにんぢん 2010 / GO!GO!7188

 デビューから10年を超えるキャリアを積み重ねてきた彼等だが、この楽曲が当時リリースされた時の衝撃は未だに忘れられない。当時、僕が某CDショップの店員で働いていた時に彼等がインストアライブを行った。その時、ロック&ポップス売り場を徘徊しては、目を爛々と輝かせ、色んなCDを聴き漁って、興味を示していたあの頃の姿。音楽をひたすらに吸収しようとしていた姿。改めて、2010年の配信限定リリースバージョンで聴いても、あの時の輝きが全く失われていないことに、感動。そんな僕の個人史もこのアルバムにはちらほらと、入れ込んでいるのであります。

2011/12/09

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 10〜13




- 10 これはもう青春じゃないか / THEラブ人間

  「観覧車〜」から一気にビートダウン。楽曲の構造が違えども、ラブソングという繋がりとして、リンクするトラック。いつの時代も希薄、軽薄なラブソングが売れるという、普遍的なポップミュージック市場において、羞恥心なんか二の次に、外連味のない、究極的、個人的恋愛風景を開陳する彼等の姿勢は素晴らしき。
 ブレイクの時点でリフレインされる、「これはもう青春じゃないか」という部分をテンポアップさせて、次なる曲へ誘なってみました。

- 11 YOU&I / 竹内電気

 タイトルが示す言葉がもうそのままである。君と僕が織りなすストーリーだ。このMIX CDを作成するにあたって、様々なリスナーに届けるという視点を持ちながらも、個:保坂壮彦と、個:あなた、へ、届けたいという気持ちも忘れずに伝えたいという思いを込めて、選曲させてもらいました。

- 12 It's so GOOD / アシガルユース

 人を見た目で判断するのはいけない!ということを逆手にとって、僕らは見た目で勝負だ!と表現しつつも、彼等が歌うメロディーはその見た目が邪魔になるほどのグッドミュージックなのであるという、堂々巡りの矛盾。この矛盾が最高なバンドの、最強のポップチューン。
 前曲の竹内電機とも様々な場所でライブを重ねているからこそであろうか。そこで何かしらのシンパシーを互いに分かち合っているからだろうか。この2曲はとっても穏やかに、柔らかに、繋げることが出来たのです。

- 13 光のたてがみ (Album ver.)/ SEBASTIAN X

 このMIX CDを創るにあたって、音楽を聴くこととは?音楽を奏でるとは?音楽とは何か?というものを、音楽で届けることを可能にするのに、絶対的に欠かせなかった楽曲。その本質に真摯に向かって鳴らすことを可能にした楽曲である。
 目に見えない感情や心を届けようとすること。カタチあるものに縛り付けられずに、音楽で解放される素晴らしさとはこういうことなんだよ!ということを、穏やかに、煌びやかに、光をテーマに表現した、最高のポップミュージックである。
(続く…)


2011/12/08

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 06〜09



- 06 I Hate DISCOOOOOOO!!! / the telephones

 「やっぱ音楽は素晴らしい」のブリッジ。そのドラムフィルから突然、どすんとビートが落ちて、の、このトラック。しかし、言わずもがな、イントロが終われば、もうそこには彼等の専売特許とも言える、高速ビートの、ハイパーチューンが流れ出す。「Hate」という言葉が素晴らしい。好きも嫌いも表裏一体なのだから。そんな対なる感情さえも、愛というものは包み込み、僕らを混乱させて、興奮させるものだから。
 感情は言葉だけで揺るがされるものではない。ただひたすらに音楽に身を委ね、踊り明かしてこそ、全身に響き渡ることも必要だということを彼等は、常に聴き手に突き出すアーティストである。

- 07 半径30cmの中を知らない / アルカラ

 イントロ一発の衝撃度がやばい。the telephonesの昇竜するギターからの繋がりの衝撃度が強いトラック。音圧の高さ。L→R、R←Lに振られるギター音が鳴り響いた後のメロディラインと声色の透明度も、新人バンド離れした形相を魅せている。ブレイクに入って、テンポダウンして。どこで次なる楽曲にどう繋げ行くか。かなり試行錯誤したが、奇跡的なドラムフィルの複雑怪奇な繋ぎが可能になって、名曲へなだれ込む…。

- 08 VIBES BY VIBES / 10-FEET

 斉藤和義の楽曲もそうだが、どうあがいても逃れられない、2011年の出来事。「3.11」。それを体感した僕らは、何をすればいいのか。何が出来るのか。様々な場面で考えさせられることが多々あった。今の今でもそうだし、これから何年もずっとそのことは考えさせられ続けなければならない。
 そんな時に、心を鷲掴みにされる楽曲というものは、聴き手をアップリフトさせつづけ、生と死の喜びと悲しみを、一貫して伝え続けて来たアーティストなのである。それが、10-FEETであり、このトラックであり、彼らの存在意義なのだと改めて納得させられるのだ。

- 09 観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは / The Mirraz

 高速ビート。高速リリック。ひたすら世間に唾を吐きまくり、猪突猛進で走り続けてきた彼等が、ロックンロールの根本を見つめ直し、辿り着いた、ラブソング。そう、ロックンロールとはラブソングなのだということ。これは、世の中がどうあれこうあれ、僕と君の間に巻き起こる様々な感情が交錯することが、結果的に、世界を揺るがす視点をもたらすということ。世界を揺るがす音楽になるということの証明だ。
 孤独だ。なんて孤独なんだ。そんな哀しみが溢れた2011年に敢えて、軽快なロックンロールを鳴らす決意をした彼等の、ネクストステージに向けた、最高のラブソングである。
(続く…)


2011/12/07

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 04〜05



- 04 JUST BE COOL / THE BAWDIES

 「虹」のシャッフルビートに続けとばかりに、BPMをかなり上げてグッド・ヴァイブレイション・ロックンロールを…。
 彼等は、デビュー時の衝撃と勢いに乗っかって、初期衝動と欧米のソウルミュージックの模倣だけで突き進むのではなく、メロディという武器を得て、更なる飛躍を遂げている。それは、普遍的な邦楽のポップミュージックにも通用するナンバーをここ最近ドロップしてきているということだ。そんな中、単なる激しいトラックではなく、あらゆる音楽にバトンを渡せるような、それでいて、彼等でしか鳴らせないロックンロールを、セレクトさせて頂きました。

- 05 やっぱ音楽は素晴らしい feat. RHYMESTER / SCOOBIE DO

 THE BAWDIESのシャッフルビートと絡みつくように、RHYMESTERのリリックとSCOOBIE DOのファンキーブレイクビーツのコラボレーションが秀逸なトラックをドッキング。楽曲のグルーヴ感もさることながら、タイトルが表しているように、この歌のメッセージは、とっても、キテる。すげぇ、キレている。「音楽とは何か?」というものを、真摯な言葉で伝え、軽快なトラックで奏でている。是非とも耳を澄まして聴いて欲しい。是非とも身体を揺らして感じて欲しい。そうすれば伝わる。これこそが、ファンクミュージックの王道であることが。

2011/12/06

『ALL IS LOVE IS ALL』 セルフライナーノーツ 01〜03



- 01 キャノンボール / 中村一義

 アルバムタイトル、いや、このブログのタイトルや保坂のオフィシャルサイトの名称である『ALL IS LOVE IS ALL』を表するにあたって、絶対的に欠かせない楽曲。「愛」という普遍的かつ壮大なテーマを題材にすること。それは人間に巻き起こる全ての感情をを背負う宣言でもある。“そこで愛が待つ故に”と繰り返されるリフレインに、呼応するように、“僕は行く”“立ち止まる”“僕は往く”と紡がれる歌詞。
 今回の作品を作るにあたって、この楽曲がなければ、何もかもが始まらなかった。それも1曲目に鳴り響かなければ意味が無かった…。そんな思いが詰め込まれたトラックです。

- 02 MUSIC BY. / Riddim Saunter
 「キャノンボール」にディレイをかけて、始まる、音楽の、ミュージックの、Music。ようは、音楽というものの号砲となるトラック。惜しくも解散してしまったアーティストではあるが、音楽は決して消え去らない。DJたるものに課せられた使命は、残された名曲達を伝え続けるということ。それを背負って、鳴らすことだ。
 ダンスミュージックとして、オーディエンスを鼓舞するハンドクラップと、絶妙なメロディとビートに乗っかった英語詞の秀逸さは、彼等にしか成し得なかった。

- 03 虹. / 斉藤和義
 「Music By.」終わりにエフェクトをかけて、彼が弾き語る、ギターの弦、6本全てが力強く鳴り響くイントロを繋げた。
 ほぼ全ての楽器を演奏する彼ならではの揺らぐグルーヴ感が最高なトラック。2011年。「3.11」。その事実に真っ向から反旗を振るった彼のアーティストとしての立ち位置は、今に始まったことではない。この楽曲に込められたテーマだって、痺れるくらい、今に響き渡る。
(続く…)


「COUNTDOWN JAPAN 11/12」 出演タイムテーブル決定!!








 

★DJ保坂壮彦 MIX CD リリース決定 !!&収録楽曲大発表!!


2011/12/05

MIX CD『ALL IS LOVE IS ALL』発売に向けて。






 師走に入って、急激に寒くなってきた。


 自身の作品が世に出るまで後10日。


 DJ保坂壮彦として初めてとなる作品、『ALL IS LOVE IS ALL』について、初めて、自分の言葉で、このブログで語ろうと思います。


 どこから何を語れば良いのか。


 そんな思いを駆け巡らせていたら、ふと、過去の自分に辿り着いてしまったのです。


 今、改めて思うことがある。




 学生時代に愛用していたダブルデッキのカセットレコーダーを駆使して、お気に入りの曲をダビングして、繋いで繋いで、「マイテープ」を友達に渡していたころのあの喜び。
大学卒業後に就職した、アパレル小売店の店内BGM用に、お気に入りの曲をカセットテープに詰め込んで、集客のピークの時間帯に、「マイテープ」をガンガンかけまくって接客しながら、「今かかっているこの曲って誰の曲ですか?」と聞かれた時の、あの喜び。
CDJが世に出て、CDでもDJプレイが出来るという世の中になったときに、誰に向けるでもなく、家に籠もってひたすらDJプレイを楽しみ、今まで出来なかったこと、「曲を上手く繋げることが出来る!」という喜びを噛み締めたあの喜び。それから、アマチュアバンドを辞めてしまい、CDJでプレイすること、自分のセレクトをリアルタイムに伝えたい衝動に駆られて、家から外に出るようになり、友達だけの貸し切りでイベントを初めてやった時のあの喜び。


 その後、ライブハウスや、様々なクラブイベントにも出るようになった。そして、ジャパンフェスのような、想像を絶する大きなフェスの会場でもDJをやらせて頂けるようになって、気づいたら、学生時代から今に至るまで、あらゆる「喜び」が積み重なって、「DJ」と呼べるようなことをずっとやってきたのかもしれない。


 そして、今回、自らの造語であり、かつ、自らの個人的なサイト名である、『ALL IS LOVE IS ALL』という言葉がそのままタイトルになって、CDというフォーマットでリリースされることになった。月日の流れはとてつもなく濃密かつ長い。しかし、ほんの数行で振り返るととてつもなく速くも感じる。今回の作品には、こんな感じでさらっと語った保坂壮彦の全ての歴史が詰て込まれていると言っても過言じゃないと思う。故に、とてつもなく内省的かつ個人的な趣向もあるだろう。でも、とんでもなく普遍的かつ大衆に向けた作品にもなっている自負があります。


 ただ、好きな楽曲を、立て続けに連打して、自由奔放に繋ぎ合わせた、MIX CD。そのようなものにはしたくなかった。さらに、才能溢れる素晴らしきアーティストが創り出した楽曲を拝借して、自分名義の作品にすることによって、「俺のモノだぜ、これは!」というような作品には絶対にしたくなかった。さらに、音楽を愛するリスナーの、聴き手の自由度を束縛するような作品にしないように、トータルコンセプトアルバムのように、1曲目からずっと聴き続けてこそという、そいういう起承転結がくっきりとした作品にはなっていないと思います。


 全28曲。70分を超える作品。どのように聴いてもらっても構いません。 自分で言うのもなんですが、聴き返す度に、沢山の収録楽曲が、聴く時々によって、様々な表情を変えて見せてくれる。一度たりとも同じ感情にはならないのです。なので、普通に頭っから聴いてもらっても構わないし、好きなアーティストの楽曲からプレイボタンを押してもいいんです。この作品の全ての始まりは、あなたに決めてもらいたいのです。終わりもあなたに決めてもらいたいのです。


 それこそ聴くスタイルもなんだっていいんです。部屋だろうが、電車だろうが、車だろうが、歩きながらだろうが、踊りながらだろうがね。でもね、ただひとつ伝えたいことがあります。最終楽曲の「アルクアラウンド」が終わった後に、そのまま1曲目の「キャノンボール」を聴き始めても違和感がないように意図を込めて制作しました。敢えて僕のエゴを上げるならば、そこだけなのかもしれません。言うなれば、“終わりなき螺旋状のようなアルバム”であり、“聴き返す度にアルバムから伝わる感情が移り変わるようなアルバム”であると思います。


 長くなりましたが、後10日間。


 時間の許す限り、このアルバムに収録された楽曲全てにおける僕の思いの丈を、このブログで綴っていこうと思っています。


 後10日間。


 全てのアーティストとリスナーへ。それを産み出す音楽という魔法へ。尊敬と感謝の意を捧げたいと思います。

2011/11/17

DJ保坂壮彦 MIX CD リリース決定 !!&収録楽曲大発表!!




DJ保坂壮彦 MIX CD 『ALL IS LOVE IS ALL』12月14日(水)リリース決定!!

2011.12.14
アルバム/ VICB-60082
2,500(税込/2,381(税抜)
FlyingStar
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DJ保坂壮彦 MIX CD 『ALL IS LOVE IS ALL』12月14日(水)リリース決定!!
改めて収録楽曲も大発表!!
リリースパーティーもやるよ!!

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01 キャノンボール / 中村 一義
02 MUSIC BY. / Riddim Saunter
03 虹 / 斉藤 和義
04 JUST BE COOL / THE BAWDIES
05 やっぱ音楽は素晴らしい feat.RHYMESTER / SCOOBIE DO
06 I Hate DISCOOOOOOO!!! / the telephones
07 半径30cmの中を知らない / アルカラ
08 VIBES BY VIBES / 10-FEET
09 観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは / The Mirraz
10 これはもう青春じゃないか / THEラブ人間
11 YOU&I / 竹内電気
12 It's so GOOD / アシガルユース
13 光のたてがみ(Album ver.) / SEBASTIAN X
14 Kill your idol / KING BROTHERS
15 FOOL GROOVE / YOUR SONG IS GOOD×BEAT CRUSADERS
16 For divers area / Dragon Ash
17 風吹けば恋 / チャットモンチー
18 ジェットにんぢん 2010 / GO!GO!7188
19 ミンガスファンクラブ / SOIL &“PIMP”SESSIONS
20 オトナノススメ / 怒髪天
21 アフターダーク / ASIAN KUNG-FU GENERATION
22 青い空 / くるり
23 orange sunshine distortion / The Flickers
24 Electric Surfin' Go Go / POLYSICS
25 Delight Slight Lightspeed / avengers in sci-fi
26 回想する / 木箱
27 STROBOLIGHTS / スーパーカー
28 アルクアラウンド / サカナクション


保坂壮彦オフィシャルサイト「ALL IS LOVE IS ALL」


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2011/11/07

soultoday 10th anniversary !! & DJ保坂壮彦 MIX CD 『ALL IS LOVE IS ALL』realese party !! 開催決定 !!




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【soultoday111209】soultoday 10th anniversary !! &
DJ保坂壮彦 MIX CD『ALL IS LOVE IS ALL』realese party !!

2011.12.09(fri)
shimokitazawa THREE

charge:2000円(+1drink)
open/close 23:30~05:00

DJ:保坂壮彦 / タイラダイスケ / 星原喜一郎
Illustrator:natunatuna

★soultoday10周年企画★
・入場者全員に『soultodayバッジセット(バッジ&シール&ポストカード)』プレゼント!!
・歴代『soultodayTシャツ』オール500円で販売します!!

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2011/10/25

[RocketDashRecords企画] Beat Burn ch21 「SEBASTIAN X ツアー2011 "FUTURES TOUR"」出演決定。







2011年11月03日(祝)[RocketDashRecords企画]Beat Burn ch21 「SEBASTIAN X ツアー2011 "FUTURES TOUR"」
場所:水戸ソニック(茨城県水戸市)
時間:17:30/18:00 
料金:前売り ¥2.000 / 当日 ¥2,300 【高校生以下学生証提示で入場無料(別途D代)】
【 LIVE 】 SEBASTIAN X / チーナ / NEW HOUSE / THIS IS PANIC
【 DJ 】 保坂壮彦(soultoday/RIJF)/伊香賀守(RDR/つくばロックフェス)

チケット
・プレイガイド e+
こちらから


チケット予約中。件名に「ch21予約」と記載し、
・名前・
枚数・電話番号 を送って下さい。

info@rocketdash.com まで

2011/09/23

【soultoday111105】開催決定。


【soultoday111105】@BAR? CCO DJ : 保坂壮彦、星原喜一郎 and more... Illustrator:natunatuna OPEN/CLOSE 17:00~22:00 CHARGE:¥1000 (+2drink ¥1000)



2011/09/17

SEBASTIAN X のニューアルバムが素晴らしい!の件。


 SEBASTIAN X のニューアルバム、『FUTURE』が素晴らしい。

 昨日、15日発売の『MUSICA』のレビューに思いの丈を書き連ね、感情の思うままに言葉を詰め込ませて頂きましたが、数日前。レビュー原稿を書くために『FUTURE』の音源を聴かせてもらったその瞬間から、体中が痺れるような感覚が…。レビューの締切までに、他の作品も聴かなければならない僕だったのだけど、レビューを書くという行為を度外視して、『FUTURE』というアルバムの素晴らしさに酔いしれて、毎日のように聴いてしまった始末。どうにもとまらない日々。そんな素晴らしさをどのように言葉で表現しようか? 悩みに、悩み、悩んだのであります。その結晶が『MUSICA』に掲載されていますので、よかったら、読んで下さい。。。

 ディスクレビューというものは、音楽を言葉で伝える作業である。それも、既存の音楽雑誌というメディアにおいては、一般発売されていない音源を聴いて、未だその作品を耳にしていないリスナーに音楽を言葉で届ける作業である。何年もこの作業をやらせてもらっているが、どうにもやるせない気持ちになって、立ち止まってしまう時が希にある。それは、あまりにも素晴らしい作品を目の当たりにしてしまう時だ。その素晴らしさというものは、僕の中での“素晴らしい”という言葉は、その作品自体に四の五の言う言葉を失う体感なのである。なので、レビューという、音楽を言葉で説明する行為を必要とされること自体が苦行になる。しかし、レビューを書くという作業、仕事として、僕はその作品を手にとっているわけで。最終的には、音楽を言葉にしなければならないのである。
 はっきり言って、音楽は言葉では説明できないものなのだ。それは、DJをしている時にこそ強烈に感じることだ。DJをしているときに、僕はオーディエンスに向かって言葉を発する必要がない。ただ、ただ、素晴らしい音楽を、届けることだけ。その音楽を受け止めてくれるオーディエンスがいる。その関係性しかないわけだから。
 もっと話を広げると、アーティストが作品をリリースするとき。その作品が世に出る前に、インタビューを受けるとき。彼等は自らの作品を、届ける前に、会話という言葉で説明する。どのような作品なのか? どのような心境なのか? 前作との比較は? 今作に込めた思いは? などなど…。僕はアーティストじゃないからわからないけれど、こういうインタビュー自体、それはそれで、自らの作品をプロモーションするということで、必要不可欠なのかもしれないが、彼等からしてみれば、“とにかく聴いてみて下さい”と。それ以上もないし、以下もないと思う。
 以前どこかの雑誌のインタビューで、クロマニヨンズのヒロトとマーシーが新作リリースにあたって言っていたことがある。“言うことなんか無いよ”、“ただかっこいいと思ったことを作っただけ”というようなことを。他にも数年前、とあるベテランバンドのボーカリストのインタビューをする機会があった。その時彼は、インタビュー前に、とあるレコードショップのフリーペーパーの新作リリース情報記事を見ながら呟いた。“音楽雑誌って最近色々あるけれど、結局、こういう情報だけで十分なんじゃないかなって思うときがある”と。
 そんなことを言ってしまえば、音楽雑誌や、メディアや、音楽評論家なんかいらない、という極論に至ってしまう可能性もあるにはある。どうだろう? ここ数年の不況によって、様々な音楽雑誌が廃刊になったりしている昨今、改めて音楽雑誌の在る意義というものが問われているようにも思える。
 でも、僕は、書き続けるし、音楽雑誌が大好きだ。そして、このブログでもこうやって言葉で音楽を届けようと書き連ねているのだ。何故なのだろうか。単なる自己満足なのだろうか。それとも求められているからこその行為なのだろうか。はっきり言って、わからない。多分、これからもこういう感覚に陥る時が多々あるだろうと思う。でも回答は出ないと思う。迷宮入りのまま、進んでいくと思う。
 ただひとつ言えることは、人間が言語というツールを持ってしまった瞬間から、言語以前のツールであった音楽の存在を、様々な言語で、様々な論理思考で考えるようになってしまったから、音楽は、音楽以外の言葉に翻弄されるし、褒め称えられることから離れられない存在になってしまったということだ。それは、音楽だけに限らない。言葉というものを持ってしまったからこそ、人間は、生きることに。究極の解析不明な「生死」ということについても、有史以来、様々な哲学やら歴史上の人物の発した言葉が象徴するように、沢山の意味付けをするようになったし、目に見えない心の声を、そのまま伝えられないと思い込まされて、なんとか理路整然とした理論武装した言葉で説明することが当たり前の日々になってしまったのだから。
 だから、僕らは、言葉から逃れられない。
 しかし、言葉があるからこそ、その反面教師として、人間本来持ち合わせている、言葉で説明出来ない感動を。目に見えない感情を受け取る喜びを掴むことにとてつもない歓喜を覚えるのだ。そんな、言葉の理屈を超えた音楽として存在する素晴らしい音楽がまだまだ産まれ続けている。だから音楽は素晴らしい。その素晴らしさ。言葉に出来ない素晴らしさを、SEBASTIAN Xは『FUTURE』という作品で僕らに届けてくれた。

 今日、ロケットダッシュ伊香賀守主催の[RocketDashRecords企画]『Beat Burn ch19』に彼等が出演する。場所は水戸SONIC
 関東近郊の方は是非とも足を運んでもらいたい。
 そして、彼等が時間をかけて手をかけて作り込んだ、アルバム『FUTURE』。デジタルでデザインや印刷する数十倍の手間と時間が掛かったという、活版印刷で作ったブックレットが封入された、アルバムを是非、発売日に手に取ってもらいたい。


『SEBASTIAN X / "FUTURES" Trailer』



『SEBASTIAN X / 「ワンダフルワールド」ライブ [2010/02/09 渋谷O-nest] 』




2011/08/22

This is Rock 'n' Roll !!!!!!!

soultodayの開催が決定しました。9月10日です。
改めてお伝え致しますと、soultodayは、今までずっとオールナイトで開催をしていましたが、前回から、夜開催に変更になりました。理由は過去の日記を振り返ってもらえれば解ります。まあ、なんで改めてこんな説明をしているかというと、「保坂壮彦(soultoday)」という肩書きが今では当たり前になっているという、とても有り難いことになっているのでありますが、実際未だsoultodayに足を運んだことがない人からすると、通常のオールナイトパーティーDJイベントじゃない時間帯に移ったsoultodayって、“どんなのなの?”という疑問がより強くなっているような気がするので改めての説明をさせておりますでございます。

オールナイトのイベントであると、ライブハウスなどで爆音で音を浴び、酒を食らい、踊りまくる!という。まあ、それだけじゃなけれど、そういう感じだと思いますが、soultodayが夜開催になったことで、より、そのような空間とは違うものになっているということですです。どちらかというと、音楽がある、音楽が鳴っている。そこに音楽が好きなみんなが集まる。会話をする。飯を食す。酒を飲む。たむろす。友好を交わす。繋がる。全てが音楽で…。というような、一昔前の言葉で言うと、「サロン」的な?感じ?みたいな?です。

でもこれは、主催者側が強制したものではないのです。soultodayというものを楽しむ方法は、来てくれる皆さんが形作るものであり、それはオールナイトの時もそうだったし、結果的にそのような空気感を創り出すイベントになったのは、soultodayに求めるものがそうであったということなのです。

こういうと、俺たち主催者たちは関係無いところで創り上げられたんだよ?という風に思われがちだけど、それだって違う。どちらかというと、やってる人間が、どこかで今のsoultodayの空気感、雰囲気を求めていたのだと思うのです。それは、保坂壮彦としては確実に当てはまるモノで。その通りなのであります。

ジャパンフェスでのDJのような。あのようなDJも保坂壮彦であり、soultodayのDJも保坂壮彦であります。そこに違いがあると思うけど、やってる本人からすると、どっちが本当だとか、なんだとか、関係無いのです。ただ、保坂という人間が主催しているsoultodayというイベントが、長きに渡って辿り着いたのが、先に述べたようなsoultdayになったということなのです。だから、とても居心地が良いし、いつも足を運んでくれてくれるみなさんもその居心地の良さを感じ取って来てくれるのだと思います。それは、ジャパンフェスにも当てはまるものであると思います。のです。

まあ、とにかく、正式に夜開催となってから、CCOでの開催になってから、2回目。夏休みは終わってしまった時期だけど、オールじゃ無いから学生も来れるんだよ。若いティーンネイジャーよ!ロックンローラーになりたければ、soultodayに来てくれよ!!
なんちって。

なんちって、というのも。
最近の保坂は、ロックンロールモード炸裂なんです。
今更というか、根底にあるのは、ロックンロールだから別に言うまでもないんだけど、改めて、大復活を遂げた、THE VINESのニュートラックが最高だ!ということが火種になって。『観覧車〜』から始まった、これこそロックンロールだぜ!という、The Mirrazの『ラストナンバー』が最高だ!というのもあってね。結果、ジャパンフェスの時のDJの最後の最後に、RCサクセションの『上を向いて歩こう』をかけたということなんっすよね。

と。
久しぶりに、つらっと、肩の抜けた(?)ブログを書いてみました。

でわでわ。

Gimme Love / THE VINES

ラストナンバー / The Mirraz


上を向いて歩こう / 忌野清志郎&甲本ヒロト



2011/08/17

【soultoday110910】開催!





@BAR? CCO  DJ:保坂壮彦、星原喜一郎、マリ (諸事情によりタイラダイスケ不参加となってしまいました。ご迷惑をお掛けいたします)  Illustrator:natunatuna  OPEN/CLOSE 17:00~22:00  CHARGE:¥1000 (+2drink ¥1000)




2011/08/04

「ROCK IN JAPAN FES 2011」に行ってきますよ。


 とうとう、やってまいりました。11年目の夏。
「ROCK IN JAPAN FES 2011」です。

 明日夜に、ひたちなかに向かいます。でもって、明後日の金曜日。朝早くからDJブースに入ります。そうそう、いつもだったら、ね。片平君、前田君と保坂の3人が、「よっしゃ3日間やったるどー!」という風に、気合い入れて行くわけですが、明後日は、ひとりぼっち。寂しいな(笑)。ていうか、前田君は土曜日出演。片平君は日曜日出演だから、初日からまっさらのDJブースに行くのは保坂だけということなのですよ。なので、なんだろう…。なんか、いつも通りに3日間やるような感覚で行く感じなのが保坂だけなのです。不思議な感覚…。とはいいつつも、なんだかんだで、あの2人も初日から会場に来るような噂話(?)は聞いているので、なんだかんだで、一緒に3日間やるような繋がりがある気がするのです。直接バトンを渡したり、手を組んで肩を組んでというようなレジデントな3日間ではないけれど。見えない繋がりはある、と。そういう気持ちが根底にあると。保坂だけが勝手に思っているのかもしれないけれど(笑)、とにもかくにも、3日間。例年の如く、はたまた、毎年のように言ってますが、例年以上の盛り上がりがDJブースで巻き起こってくれて、大成功を収め、大団円を迎えられるようならば、本望です。

 毎年出させて頂いて、数を重ねるごとに、保坂という人間を覚えて頂けるようになって、あの場所で沢山成長させてもらって、沢山音楽を頂いて、沢山オーディエンスの笑顔を心に刻んできている保坂ですが。やっぱり、何回目であろうがなんだろうが、この、始まる前の緊張感というのは、1回目からずっと続いているのです。「もう、慣れっこでしょ?」と人は言うのですが、そんなことは全くないっす。

 とはいいつつも、今年は、去年ほど、感慨深い(10年の節目)というものが無くって。なんというか、終わりなき旅路の螺旋階段を一周してまた元に戻ったような。でも、もう歳も歳なんで(笑)、少しだけ成長したような感覚で。さらに、金曜日だけ出演ということもあり。1日間で、2回のDJで、今まで3日間つぎ込んできたものを濃縮してすべて吐き出す気持ちでいっぱいなので、たぶん、ゲップがでるほど盛りだくさんなDJになるかと思います。それだけ、一心不乱に走り抜けますということです。

 と。やる気宣言をしてしまうと、してしまった瞬間から、自分自身にプレッシャーをかけてしまったことになり、それが自分の緊張感を煽り、空回りしたらどうしよう…、ってなるから、いつになっても慣れないとか言っちゃうんだろうな……。ま。でも。いつも新鮮な感じでいいんじゃないの?って。もう、場慣れしてしまって軽くやっつけちゃうようなDJになってないからいいんじゃないの?って。今自分に言い聞かせてます(笑)。

 とにかくやります。

 音楽から愛を授かります。

 みんなからパワーをもらいます。

 そして、DJブースが、祝祭空間になるように。

 僕は、ひたすら、音と音を紡ぎます。

 それが風にのって、宙に舞って。

 幸と笑みが溢れるように。

 保坂壮彦。

 挑みます。

 よろしくです!

 ※会場からTwitterでツイートしまくりまくりますです!


 追記1:
 保坂壮彦、いっつも、会場をふらふらしてます。たぶん、今年はもっとふらふらしているでしょう。DJブースの周りとか、色んなところをふらふらしてます。見かけたら、いきなりでもいいので、捕獲して下さい。そして、優しく扱って下さい。そうしたら、とっても喜びます。そんな生き物なので、なにげに、いや、とてつもなく寂しがり屋なので、いたわって下さい(笑)。

 追記2:
 右メニューにある通り、フェス終わって、水戸でDJやるのですよ!是非みなさん、遊びに来てね!


2011/07/14

明日晴れるかな




音楽ってやっぱりすごい。

とある友人が壁にぶちあたっていた。

俺も壁にぶちあたっている。

そんなタイミングで。

無意識にパソコンを開き。

無意識にYOU TUBEを観ていたら。

桑田佳祐の「明日晴れるかな」に辿り着いた。

こんな名曲を、僕はちゃんと聴いたことがなかった。

そんな自分を恥じるとともに。

ただ、目の前を通り過ぎる、早過ぎる速度で通り過ぎる音楽だけではなく。

名曲は今も、いつも、これからも、どこかで、響く。

それが音楽の姿だと。

改めて、感じました。

明日晴れるかな?

いや、確実に晴れるんだよね。

猛暑だから(笑)。




2011/07/08

今年の夏。ひたちなかの夏。

 「ROCK IN JAPAN FES. 2011」のDJ BOOTH、全ての出演者が確定し、TIME TABLEも発表となりまして。これで全てのアーティストが出揃ったということで。改めて今年もよろしくお願いします。はじめましての人も、二度目まして、三度目まして、何度目ましての人も。どうも、DJ保坂壮彦です。今年も出演致します。今年は金曜日のみになりますが。出ます。よろしくお願い致します。

 気づいたら、11年目の夏になります。11回も出ているのですよね。

 ついさっき、去年の自分のブログを読み返したら、かなりの密度と勢いで、10年目を自ら祝うかのように。なんとなく、自分の中で、あの場でのDJに終止符を打とうとしているかのような、終わらせてしまうかのような文章で、DJ BOOTHのことを総括していましたよ。でも、本当にそれくらいの気持ちで。それくらいの力を出して。終わった後も、やり尽くして。「やりきったぁ…。後は若い人にお任せします…」的な気持ちがありましたから。
 でも。ね。気づいたら。あれはあれで。それもそれで。これもこれでということで。今年も出るのです。とうとう、11年目。11回。いやぁ。ほんと。想像がつかない領域に入ってしまってますね。

 今年は、みなさんもご存じの通り、恒例となっている、片平君、前田君、保坂の三人衆が三日間出るという形にはなりませんでした。それは、今年、東日本大震災の影響により、パーク・ステージを作ることが出来なかったことが第一の理由です。それによって、楽しみにしていたステージがひとつ減ってしまった。オーディエンスの皆さんが歓喜する場が減ってしまった。そのために、主催であるロッキングオンが、判断したこと。それが、年を重ねる事に、回を重ねる事に、ライブステージを超える瞬間さえも産み出す場所になった、DJ BOOTHにて、今まで以上のサプライズを用意し、パーク・ステージを作ることが出来なかった分まで楽しんでもらいたいという気持ちの現れの結果なのです。
 DJ BOOTHの出演陣を見てもらえれば一目瞭然でしょう。今まで以上に、ゲストアーティストの出演が増えています。通常、DJというものを観客の前で披露することが希なアーティストも沢山出ます。さらに、通常の三人衆以外にも、プラス三人、ロックDJとして初めて、DJ BOOTHに参加するDJが増えました。このように、パーク・ステージを作ることが出来なかったことを、楽しみを、あの、朝から晩まで最高のオーディエンスで埋め尽くされるDJ BOOTHに、沢山のサプライズを詰め込むことを可能にし、出来うる限り、音楽の歓喜を損なわないように、したということです。その結果、今年の僕達三人衆は、日割りでの出演する形となったのです。
 でも、これも、まだまだ復旧には何年もかかるであろう、震災における影響を踏まえつつ、最大限の注意を鑑みて、それでもひたちなかに足を運んでくれるオーディエンスの皆様に、沢山の音楽を、沢山の楽しみを届けるための最善の策であると。そう思って、そう捉えて貰えればと思います。

 というわけで、私、保坂壮彦は、8/5(金)に出演します。三日間、やっていたことを考えると回数は少ないのですが。少ないからこそ、三日間やり続けていたことを、1日の2回の出演に全てを凝縮しますよ。それこそ、トリの時間は、もう、燃え尽きますよ。やりきりますよ。

 是非とも、楽しみにしてください。

 7月に入り、全国各地で様々なフェスが開催し始めています。

 先ほど、震災のことを少し書きましたが。

 「音楽で出来ること」なんて大仰なことを考えなくてもいいと僕は思うのです。

 生かされている僕達が大切な音楽で身も心も解放すること。

 それで沢山の笑顔が溢れること。

 生の喜びが自然と沸き溢れればいいのです。

 哀しみとブルースを抱きつつ。

 未来への何かを掴むために。

 音楽で感情の扉をおもいっきり開けばいいと思うのです。

 今、僕は、そう、思います。



 ジャパンフェスの前に、右メニューで紹介してますが。つくばで行われる、「GFB'11」に出演します。伊香賀守という男一人が、一から全てを創り上げ、開催するフェスです。是非、遊びに来てください。

 みんなの笑顔に逢いたいです!!

2011/06/20

natunatuna


soultodayでイラストレーターをやっている、natunatunaが、

uminecosoundsの『イエロームーン』のPVを作りました。

彼女にとっての初PV映像です。

紹介するのがかなり遅くなってしまいましたが。
観てください。

こちらで本人が言葉を綴っております。

もう10年くらいの付き合いで。
だからこそ、あまり、こう、賛美するのも手前味噌ながらいささかなものかと。
思うのですが。

彼女が昔から今に至るまで持ち続けていた絵ゴコロ。

それを音に乗せることで、拓けた新たなモノ。

とても素晴らしいと思うのです。

希望があるのです。

宿っているのです。

音楽とともに。

絵ゴコロが。



2011/06/15

無題


久しぶりの更新です。
ここで書かねば、1ヶ月も放置してしまうことになってしまうので。
書きます。
いや、書きたいことは沢山ありすぎるくらいあったけど。
時間というものがあまりにも足りなくて。
書けなかった。

だから、書きたかったことを、限りある時間で。
とにかく綴ります。
なので、タイトルは、無題、です。

そうそう。前の日記で。
「#rocksmile」〜ロックで「笑顔」を、「笑顔」でロックを〜
というのを書きました。
書いたし、実行しようとしたけれど、ROCKS TOKYOは、荒天で。
自分自身が身動き取れずで、やりようがないまま、今に至ってます。
ごめんなさい。
でも、やりたいし、続けたいし。
なので、改めて、やると宣言する機会を待っててください。
ていうか、Twitterの場所自体あるんですから、みなさん、どうぞ、ご自由に。
笑顔を笑顔で埋め尽くしてくれれば幸いです。

ここ最近、音楽が異常に心に染み渡ります。
だいたいそういうときは、身体と心が疲れ果てているときなんです。
そりゃぁ、大変だってなわけですが、あんまり自覚もないんで、大丈夫なんですが。
いや、自覚はあるんですが、まあ、なんとかやってます。
そんでもって、そういうときに限って、必ず帰る場所、帰る音楽が僕にはあって。
それが、THE BLUE HEARTSなんです。
年齢的に、ばっちりリアルタイムで聴いていた年代なんだけど、自慢するほど実はリアルタイムでは聴いていなかったのです。実は。
ちょうどその頃、洋楽バブルがはじけて。
MTV世代と言われるアーティストが日本に輸入されはじめて。
それにがむしゃらに向かっていた時間の方が多かったような保坂なんです。
だから、ぶっちゃけ、邦楽っていうのは、それこそ、「ザ・ベストテン」の歌謡曲を小さい頃に聴いていた以来あまりのめり込まなかったのです。
とはいいつつも、TMネットワークだって、BOOWYだって、ジュンスカだって、レッドウォリアーズだって、バンドでコピーしてたし。

でも、THE BLUE HEARTSだけは特別なんですよね。
日本人にとって、彼等は特別なんです。

それは年齢を重ねた今でも感じます。

何故か。

理由は簡単です。

本当のことしか歌っていないからです。

間違っていることを教えてくれるからです。

だから、何か自分がおかしいなぁって時に、彼等の音楽を聴く。
すると、色んな本当や間違いに気づいて、自分を取り戻すことが出来るのです。

でもあれですよ?THE BLUE HEARTSだけがあればなんもいらないという。
そういう極論ではないのです。

他にも無数に好きな音楽はあります。
でも、どうしても、特別で有り続けるのが彼等の音楽であることは。
揺るぎないのです。

そんな彼等の曲の中でも。
いっぱいいっぱい名曲があるけれど。
聴いて聴いて結局辿り着くのは。
「TRAIN-TRAIN」なんです。
本当は1曲だけなんて選びたくはないけど。
この曲なんです、と、言い切ることが出来る時の自分は。
本当に、本当を。
間違いを、間違いと。
それを確かめたい時期なのであるのです。

約10年ほど前に、とあるアーティスト、今でも現役のアーティストが。
この曲の一節に対する、重みと、聴いた瞬間に沸き起こる感情を。
教えてくれました。
それがこれです。

「弱い者達が夕暮れ さらに弱い者たちを叩く その音が響き渡れば ブルースは加速していく」

以上。
説明は要りません。

世の中には無数の音楽があって。
沢山のアーティストが、音という、リリックというものを。
無からクリエイトし、万人に届ける。
受け手はそれを様々な形で受け取る。
受け取る側は、勝手な解釈で、感じる。
巨大な力をもつポップアーティストが。
大多数の人に届け、大多数の人が同じような気持ちになることもあるのかもしれない。
でも、それと同じように、大多数の人が身勝手に解釈することもある。

それを言っちゃあお終いよ、って言われそう。
だって、レビューとかライターとかやってるから。俺。

でも、正直そうなのです。

昔から、僕がレビューを書くと、いつも、今でも、言われ続けている言葉があります。
「保坂の文章から音が伝わってこない。音を伝えるのがレビューとして重要だ」と。
確かにわかります。
みんながまだ手に入れていない音源を先に聴き。
それを聴いて、楽しみにしている人に対して言葉で伝えるという手法故に。
「音を言葉で伝える」
ということは必要なのかもしれません。
しかし。
それを可能にすることは不可能に近いほどの作業です。
音楽は音楽です。
音楽はそのままで音楽なんです。
それを、未だ知らぬ人に言葉を操って伝えることは、無理なのかもしれません。
だから、僕のレビュー文章は、感覚的で、アバウトでわからないって言われることが多いのです。
だから、「音が伝わらない」と言われるのです。
でもね。僕は、音楽を聴いて、沸いてくる感情を記したい。
それが一番の思いなので、どうしても、説明的な音の伝え方を忘れてしまう。
まあ、どっちが正解なのかわからないけれど。

なので、今日、ここで、伝えた、THE BLUE HEARTSの一節も。
あーだこーだと言えば言える。
音自体はもう、有名すぎるくらい有名なので、伝えずとも。
保坂なりの受け止め方は、なんとでも説明できますが。
しません。

この一節は、教えてくれたアーティストにとっても。
僕にとっても。
かけがえのない、風景でもあります。
説明がいらない、感情でもあります。

久しぶりに、このフレーズが僕の心にやって来るとき。
それは、とても大切な何かが揺らいでいたり。
とても大切な何かが蠢いている時だと思うのです。



あらら。
無題という日記ながらも。
ほぼ、THE BLUE HEARTSがどーだとか。
結局のところ、自分のレビューの在り方の話まで語っちゃいました。

でも気持ちいいね。
勝手でごめんね。

ただただひたすらに、感情の思うがままに、キーボードを叩き続け。
辿り着いた文章がこれなんです。

前もって、「これ書きたい!」っていうのが沢山積もり積もっている時に限って。
書き始めると、それら全てが遠く彼方に行ってしまって。
今目の前に出てくる何かが僕を突き動かして、こういう日記になるのです。

これもこれで、いいじゃんね。

次回の日記は、ブログは、いつになるか…。

Twitterさえも、やっとこさ、つぶやいている今。

でも、ここまで目を通してくれた方には心から感謝します。

もしかして、更新を楽しみにしている方がいらっしゃいましたら。
それはそれで、頭が下がりっぱなしです。

つーわけで。
なんのユーモアもないままで(笑)。

筆を置かせて頂きます。

失敬。

長文雑文しつれいいたしやした。