2011/09/23

【soultoday111105】開催決定。


【soultoday111105】@BAR? CCO DJ : 保坂壮彦、星原喜一郎 and more... Illustrator:natunatuna OPEN/CLOSE 17:00~22:00 CHARGE:¥1000 (+2drink ¥1000)



2011/09/17

SEBASTIAN X のニューアルバムが素晴らしい!の件。


 SEBASTIAN X のニューアルバム、『FUTURE』が素晴らしい。

 昨日、15日発売の『MUSICA』のレビューに思いの丈を書き連ね、感情の思うままに言葉を詰め込ませて頂きましたが、数日前。レビュー原稿を書くために『FUTURE』の音源を聴かせてもらったその瞬間から、体中が痺れるような感覚が…。レビューの締切までに、他の作品も聴かなければならない僕だったのだけど、レビューを書くという行為を度外視して、『FUTURE』というアルバムの素晴らしさに酔いしれて、毎日のように聴いてしまった始末。どうにもとまらない日々。そんな素晴らしさをどのように言葉で表現しようか? 悩みに、悩み、悩んだのであります。その結晶が『MUSICA』に掲載されていますので、よかったら、読んで下さい。。。

 ディスクレビューというものは、音楽を言葉で伝える作業である。それも、既存の音楽雑誌というメディアにおいては、一般発売されていない音源を聴いて、未だその作品を耳にしていないリスナーに音楽を言葉で届ける作業である。何年もこの作業をやらせてもらっているが、どうにもやるせない気持ちになって、立ち止まってしまう時が希にある。それは、あまりにも素晴らしい作品を目の当たりにしてしまう時だ。その素晴らしさというものは、僕の中での“素晴らしい”という言葉は、その作品自体に四の五の言う言葉を失う体感なのである。なので、レビューという、音楽を言葉で説明する行為を必要とされること自体が苦行になる。しかし、レビューを書くという作業、仕事として、僕はその作品を手にとっているわけで。最終的には、音楽を言葉にしなければならないのである。
 はっきり言って、音楽は言葉では説明できないものなのだ。それは、DJをしている時にこそ強烈に感じることだ。DJをしているときに、僕はオーディエンスに向かって言葉を発する必要がない。ただ、ただ、素晴らしい音楽を、届けることだけ。その音楽を受け止めてくれるオーディエンスがいる。その関係性しかないわけだから。
 もっと話を広げると、アーティストが作品をリリースするとき。その作品が世に出る前に、インタビューを受けるとき。彼等は自らの作品を、届ける前に、会話という言葉で説明する。どのような作品なのか? どのような心境なのか? 前作との比較は? 今作に込めた思いは? などなど…。僕はアーティストじゃないからわからないけれど、こういうインタビュー自体、それはそれで、自らの作品をプロモーションするということで、必要不可欠なのかもしれないが、彼等からしてみれば、“とにかく聴いてみて下さい”と。それ以上もないし、以下もないと思う。
 以前どこかの雑誌のインタビューで、クロマニヨンズのヒロトとマーシーが新作リリースにあたって言っていたことがある。“言うことなんか無いよ”、“ただかっこいいと思ったことを作っただけ”というようなことを。他にも数年前、とあるベテランバンドのボーカリストのインタビューをする機会があった。その時彼は、インタビュー前に、とあるレコードショップのフリーペーパーの新作リリース情報記事を見ながら呟いた。“音楽雑誌って最近色々あるけれど、結局、こういう情報だけで十分なんじゃないかなって思うときがある”と。
 そんなことを言ってしまえば、音楽雑誌や、メディアや、音楽評論家なんかいらない、という極論に至ってしまう可能性もあるにはある。どうだろう? ここ数年の不況によって、様々な音楽雑誌が廃刊になったりしている昨今、改めて音楽雑誌の在る意義というものが問われているようにも思える。
 でも、僕は、書き続けるし、音楽雑誌が大好きだ。そして、このブログでもこうやって言葉で音楽を届けようと書き連ねているのだ。何故なのだろうか。単なる自己満足なのだろうか。それとも求められているからこその行為なのだろうか。はっきり言って、わからない。多分、これからもこういう感覚に陥る時が多々あるだろうと思う。でも回答は出ないと思う。迷宮入りのまま、進んでいくと思う。
 ただひとつ言えることは、人間が言語というツールを持ってしまった瞬間から、言語以前のツールであった音楽の存在を、様々な言語で、様々な論理思考で考えるようになってしまったから、音楽は、音楽以外の言葉に翻弄されるし、褒め称えられることから離れられない存在になってしまったということだ。それは、音楽だけに限らない。言葉というものを持ってしまったからこそ、人間は、生きることに。究極の解析不明な「生死」ということについても、有史以来、様々な哲学やら歴史上の人物の発した言葉が象徴するように、沢山の意味付けをするようになったし、目に見えない心の声を、そのまま伝えられないと思い込まされて、なんとか理路整然とした理論武装した言葉で説明することが当たり前の日々になってしまったのだから。
 だから、僕らは、言葉から逃れられない。
 しかし、言葉があるからこそ、その反面教師として、人間本来持ち合わせている、言葉で説明出来ない感動を。目に見えない感情を受け取る喜びを掴むことにとてつもない歓喜を覚えるのだ。そんな、言葉の理屈を超えた音楽として存在する素晴らしい音楽がまだまだ産まれ続けている。だから音楽は素晴らしい。その素晴らしさ。言葉に出来ない素晴らしさを、SEBASTIAN Xは『FUTURE』という作品で僕らに届けてくれた。

 今日、ロケットダッシュ伊香賀守主催の[RocketDashRecords企画]『Beat Burn ch19』に彼等が出演する。場所は水戸SONIC
 関東近郊の方は是非とも足を運んでもらいたい。
 そして、彼等が時間をかけて手をかけて作り込んだ、アルバム『FUTURE』。デジタルでデザインや印刷する数十倍の手間と時間が掛かったという、活版印刷で作ったブックレットが封入された、アルバムを是非、発売日に手に取ってもらいたい。


『SEBASTIAN X / "FUTURES" Trailer』



『SEBASTIAN X / 「ワンダフルワールド」ライブ [2010/02/09 渋谷O-nest] 』