2012/01/04

2012年。始まりの言葉。「COUNTDOWN JAPAN 11/12」を終えて。





 CDJ11/12。終わってからすぐ書こうと思っていた日記。

 でも、風邪引いちゃって。今になっちゃった。

 改めて。

 昨年の30日と31日に、日本中、世界中。どこへでも行けるこのご時世に、DJ保坂壮彦の時間。アストロ・アリーナに来てくれたみなさん。本当にありがとうございました。心から感謝しています。本当に嬉しい限りです。

 30日。ていうか、31日のDJは既に年越ししている時間だったので、2011年の最後のDJとなる30日のDJ。様々な別れや出会いが錯綜した2011年を総括するための選曲を…ということで、何かを伝えたい。それは、来たるべく2012年以降に向けた希望でもよかった。来年は良い年でありますようにという願いでもよかった。でもそれよりも、2011年に突きつけられた事実を、年内中にあの場で響き渡らせたかった。
 震災という誰にも避けられない哀しみは、決して消え失せない。だからこそ、そのブルースを忘れてはいけないということ。それはもう誰もが知っている事実です。しかし、そこから派生した、日々垂れ流されるウソかホントかわからないニュースという情報。どう考えても避けられることが出来たであろう、震災に対応する人達によって巻き起こってしまった、人災における悲しい出来事。それを受け止めて、沸き起こる、君や僕の感情。その感情さえも、ホントなのかウソなのかわからないという暗中模索。希望を抱く前に、それらを一度集約して、自分自身も見つめ直したかった。それを、みんなにも伝えたかった。その思いを強く抱いた訳で、ど頭の1曲目にとあるパフォーマンスをやりました。
 その名も、「Honeycom.ware(ずっとウソだった Mash Up Mix) / 中村一義」と勝手に命名したトラックを、自宅で制作し、1曲目にかけました。中村一義の楽曲のイントロをループさせて、斉藤和義の反原発ソングを乗せたもの。それをかけながら、我が師匠、ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」へのオマージュを込めて、自分の手書きのボードをVJで映し出して、オーディエンスに伝えるというパフォーマンスをやりました。



 終演後、色んな人に言われました。

 「そんな政治的意味合いのあるパフォーマンスをやるなんて思っていなかった」
 「保坂さんって反原発派なんですか?」
  とかとか。

 いやはや、困りました。僕は、何かに対してアンチを突きつける人間でも無いし、ましてや、政治的意味合いを含めた行動をやっているわけでも無い。さらに、反原発を掲げる人間でも無いのです。ならば、なんでそんなことをパフォーマンスでやったのか。その理由は単純です。2011年に産まれた音楽。斉藤和義が産み出した「ずっとウソだったんだぜ」という楽曲を伝えるだけ。それを、生死がないまぜになった究極のソウルミュージック、中村一義の楽曲に乗せてさらに増幅させたかった。僕自身がエゴ丸出しでパフォーマンスをしたかったというよりも、2011年だからこそ産まれた執念の楽曲を、一人でも多くの人に伝えたい、増幅させたかったからです。僕の思いや、僕の気持ちは二の次。「ずっとウソだったんだぜ」という楽曲が2011年に産まれたという事実。それを伝えたかった。それをみんながどう受け止めるか。それはあなた次第です。ただただそれを伝える役割をこなしただけです。前から言っていることだけど、僕は、単なる音楽の架け橋的役割を果たす、DJです。できる限り、アーティストとオーディエンスに余計なフィルターを挟まぬように、する。挟んだとしても、どちらの思いも穢さぬように、プレイする。その立ち位置で、伝えた。

 本当にそれだけです…。

 そして31日のDJ。正確に言うと、元旦の午前3時40分からのDJ。1曲目に、2012年1月25日(水)に先行配信される、中村一義の「ウソを暴け!」をどこよりも早く、かけて、伝えました。実は、この楽曲が僕の手元に届いたのは、2011年の年末です。もうこの時点で、30日と31日のDJで僕が為すべきことが決まったようなものです。

 すでに、なんとなく気づいてくれた人もいるかも知れませんが、斉藤和義にしろ中村一義にしろ。共通する言語が「ウソ」という言葉だったということです。でもその「ウソ」という言葉が共通するしているだけで、両楽曲ともに伝えんとしている事は、内容は全く異なる楽曲なのであります。でも、表裏一体。表現者が伝えようとする意気込みは比較出来ない。互いの楽曲に込められた大切な思いを、2011年と2012年に振り分けて。31日のDJ初っ端に、中村一義の「ウソを暴け!」をかけました。
 この楽曲に込められたメッセージはとてつもない強い思いがあります。タイトルからして反骨精神的なイメージが浮かぶかも知れませんが、楽曲は深遠なる穏やかさ。力強くも優しさが溢れる決意が詰め込まれています。2011年の出来事を全て受け止めて。そこから産まれた感情は真実か虚実か。そこに真摯に向かっていく。独りでも行こう、と。ホントと思えるなら、行こう、と。その姿勢や行動。それを喚起させる祈りにもにた懇願がたっぷり詰め込まれているんです。
 
 そして、30日もそうだったし、特に、31日の最後のDJなんかさらにそうだったんだけど、あり得ないくらいの、保坂壮彦的DJのアンセムを極限まで詰め込んでフロアに投げ込み続けました(31日のセットリストはこちら)。

 今までずっと。フェスのDJとしては、数日間にわたって、何度もプレイをすることが多かった。しかし、今回は(去年の夏もそうだったけど)、2回だけ。そこに、己の全てを吐き出そうと。もしかしたら、明け方にここまでのアンセム連発は、オーディエンスのみんなとしてはきつかったかも知れない。それは謝らなくちゃいけないかもなぁ…。でもね、でもね、出し切りたかったんです。いつもだったら、あそこまで激しいセットリストを組みません。あそこまで激しいDJをやることはありません。昨年リリースしたDJ保坂壮彦のアルバム「ALL IS LOVE IS ALL」を聴いて貰えればわかると思うし、僕のイベント、soultodayに遊びに来てくれているみんなならばわかると思う。

 出し切った理由。それは感情の爆発。

 過去の自分を悔いなく最大レベルで吐き出す。

 それも、「ずっとウソだったんだぜ」「ウソを暴け!」という2曲があったから。

 さらに、自らの「ALL IS LOVE IS ALL」という作品でDJ保坂を集約出来たから。

 残るは、フェスでの、僕でした。

 そんな流れで、後先、いや、後は考えていた。先は全く考えず、とにかく、明け方まで突っ走ってやろうと。そういう気持ちで、燃え尽きるまでプレイしました。そのおかげ(?)じゃないけど、フェス史上初。DJでアンコールを頂き。でも、そんなことがあることはつゆ知らず。なんの準備もしていなかったけど、フロアから届けられた声。リクエストの声。その中で、一番、びびっと来たのが、「ミッシェル!」という声。それに応えるように、最後に、かけました。僕の中では、thee michelle gun elephantと言えば、「世界の終わり」。ぴたりとはまりました。元旦早々、「世界の終わり」。縁起でも無いといえば、はい、それまでよ、だけど。どんな始まりも終わりを知らなければ、何も始まらない。2011年に色んな終わりを味わった僕らは、2012年に向けて、もう一度、何度も、何回も、その終わりを忘れずに、沢山の始まりを、みんなで、いや、独りでも、築き上げていくことになるんだと。生まれて初めて、フェスの会場で、オーディエンスの声からインスピレーションを直接受けて、選曲して、そんな思いを貰えて、とても感謝しています。

 そうして終わりました。全てが終わりました。これで終わりました。



 長々と、相変わらず失礼しました。

 僕は、毎年、新年に、書き初め的に、今年のテーマを決めてるんですが。

 敢えて、今年から、毎年、違った言葉を掲げることを、やめました。

 
 「2012年は良い年だ!!」


 これを、毎年、言い続けます。

 そして、今年の年末に、

 「2012年は良い年だった!!」

 と言えるように、する。なる。絶対に。

 でもって、その次の年は、

 「2013年は良い年だ!!」

 と言い切り、またスタートをする。

 その繰り返しを続けていこうと思います。

 だから、御願いです。御願い。

 みんなも、心の中で、声高らかに、

 「2012年は良い年だ!!」と断言して下さい。

 迷うこと無く、断言すれば、何かが動くと思うのです。

 さあ、みなさん、ご一緒に!!





 「2012年は良い年だ!!」











 
 

5 件のコメント:

  1. 28日のセットリストもお願いします。

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  2. CDJお疲れ様でした。今年は保坂さんのDJが見れなくて残念でした~。夏にひたちなかでお会いできるのを楽しみしてます!

    2012年、保坂さんにとって素晴らしい1年でありますように。

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  3. >匿名さん
    28日は、保坂出てないので、セットリスト無いです。
    >bemiさん
    どもです!bemiさんにとっても良い年でありますように!

    by 保坂壮彦

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  4. すみません。30日でした。ぜひよろしくお願いします。

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  5. 30日はうろ覚えで…。このブログの一個前の記事のコメントに覚えている限りを、コメントしているので、そちらをご覧ください。

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