2012/05/25

痺れた。



 フジテレビの「僕らの音楽」を観た。


 久しぶりに永六輔をテレビで拝見させてもらった。


 彼は、日本の音楽の生き字引だ。


 テレビ番組を初めて作ったのは彼だ。


 そんな彼は、病を抱えながらも、震える声で、「相撲甚句」を歌った。


 目から鱗の様々な言葉が溢れかえり、心の奥に響き染み渡った。


 そして、「上を向いて歩こう」についてもこう語っていた。


 “「上を向いて歩こう」が震災の復興ソングとして歌われている”


 “けれど、あれは、人を励ます曲じゃ無い”


 “小さい男の子が辛いことを我慢している姿を描写した”


 “歌手が、「歌で人を励ます」なんて言って、歌うなんて、エゴだ”


 と。


 




 痺れた。






 

2012/05/22

東京スカイツリー開業。ですか。



「今日、東京スカイツリーが開業したね。」


って、いうことを。それだけを。ブログに記しておけば。


なんか、数年後、数十年後に。この「保坂壮彦日記」を振り返ったとき。


記念になるかなって。思っただけで。ブログを書きました。


ていうかさ。なんか。世紀末と新世紀の狭間にいるような気分。


まるで。20世紀と21世紀をまたいだあのときの感覚と似てる。


何かが変わるのかも知れないけれど。何も変わらない。


いや。物理的に変わったよね。


景色が。


ただそれだけ。


いやいや。俺は捻くれ者だ。


今日は普通に記念すべき日だし。


スカイツリーにまつわる個人的な熱い思いもあるんだよ。


でも。なんかね。世間のはしゃいでる感が。


まじ。新世紀到来のあのときを思い出す。


いいんです。おめでたいんですから。


でも。やっぱり。何かしらの喪失感があるんだよね。


けど。明るい未来もある。あるか?


という感覚だ。


この感覚を音楽で伝えるとこうなる。







何かが終わり、その先に来るべく何かを向かえ、鳴り響く、祝祭の音楽。
それが、僕にとっての、THE FLAMING LIPS。
1999年作品のアルバム、『Soft Bulletin』収録楽曲。


莫大な歓喜の渦を演出することで、オーディエンスの孤独が瞬間的に繋がる。
音楽があれば、そこにみんながいれば、これだけハピネスになるんだと。
THE FLAMING LIPSは教えてくれる。
単なる馬鹿騒ぎじゃ無い。
哀しみや寂しさを噛み締めているからこそ感動する音楽なのです。
それでも僕らは不確かな今日を生きているのです、と。


おっと。
東京スカイツリーの件はどこにいった?
ま。いっか。




追記:
ちなみに、僕が、THE FLAIMING LIPSに恋に落ちたのはこの曲です。








2012/05/18

DJ保坂壮彦、明日!SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISING!に出ます! #SSC12



SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISING


↓DJ保坂壮彦の出演時間場所↓
NIGHT TIME
04:00-05:00




2012.5.19 SAT DAY TIME & NIGHT TIME
GARDEN / ReG / THREE / BASEMENT BAR / DAISY BAR / FEVER / ERA

公演名 SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISING
日程 2012年5月19日(土曜日)  
時間
DAY TIME: 開場16:00 開演17:00
NIGHT TIME: 開場/開演23:00
各アーティストはDAY TIME/NIGHT TIMEいずれかの公演に出演します。
会場 下北沢ライブハウス/カフェ等
DAY TIME: GARDEN / ReG / THREE / art ReG Café / 風知空知
NIGHT TIME: GARDEN / ReG / THREE / BASEMENT BAR / DAISY BAR / FEVER / ERA / art ReG Café / 風知空知 / altoto
料金
DAY-NIGHT: 通し券 5000円
DAY TIME: 前売 3500円
当日 4000円
NIGHT TIME: 前売 3000円
当日 3500円
完全入れ替え制。
チケットはすべて税込・入場の際、別途1ドリンク¥500となります。
問合せ SMASH http://smash-jpn.com 03-3444-6751
主催 SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISING実行委員会・JUKEBOX
企画制作 JUKEBOX・THISTIME・SMASH
運営 LBSD
協賛 RAGTAG・COGU ITALY・INSTYTUT POLSKI
後援 SPACE SHOWER TV・ポーランド大使館・disk union・Rinky Dink Studio


2012/05/11

andymori『光』ディスクレビュー 〜 生きていて良かったんだ 〜



andymori
『光』

価格:¥2,500
発売日:2012年05月02日
規格品番:XQFQ-1115
レーベル:Youth Records



生きていて良かったんだ。

 産まれたからには生き続けるしかない僕たちは、死や虚無や孤独から絶対に逃れられない。それをブルースと呼ぶ。そのブルースが巨大な塊として突如としてやってきたのが「3.11」である。それ以降、哀しみと憤りのブルースが世の中に蔓延った。それでも人は自ら死を選ばない限り生を握りしめ歩かなければならない。その歩みを推し進める音楽をロックンロールと呼ぶ。ブルースを土台としたロックンロールは、陰陽織りなす日々を過ごす僕らが今ここにいる意味と、目の前に繰り広げられる時代性を兼ね備えて鳴り響き続ける。それが大衆に届けられた時点で、ポップミュージックとなる。そんな軌跡を歩み、今必要とすべきあらゆる希望が詰め込まれた最高の作品が、ここに誕生した。僕らの生を謳歌する賛美歌のような愛すべき音楽が、アルバム全編に一寸の余地も無く鳴り響く。もし君が今、絶望に打ち拉がれているのならば、聴いてごらん。忘れかけていた君の心の中にある光が、一瞬にして輝き出すから。とてつもなく優しくて愛おしい。最高の音楽である。

保坂壮彦(ALL IS LOVE IS ALL

※『MUSICA20125月号から引用 ※