2012/05/11

andymori『光』ディスクレビュー 〜 生きていて良かったんだ 〜



andymori
『光』

価格:¥2,500
発売日:2012年05月02日
規格品番:XQFQ-1115
レーベル:Youth Records



生きていて良かったんだ。

 産まれたからには生き続けるしかない僕たちは、死や虚無や孤独から絶対に逃れられない。それをブルースと呼ぶ。そのブルースが巨大な塊として突如としてやってきたのが「3.11」である。それ以降、哀しみと憤りのブルースが世の中に蔓延った。それでも人は自ら死を選ばない限り生を握りしめ歩かなければならない。その歩みを推し進める音楽をロックンロールと呼ぶ。ブルースを土台としたロックンロールは、陰陽織りなす日々を過ごす僕らが今ここにいる意味と、目の前に繰り広げられる時代性を兼ね備えて鳴り響き続ける。それが大衆に届けられた時点で、ポップミュージックとなる。そんな軌跡を歩み、今必要とすべきあらゆる希望が詰め込まれた最高の作品が、ここに誕生した。僕らの生を謳歌する賛美歌のような愛すべき音楽が、アルバム全編に一寸の余地も無く鳴り響く。もし君が今、絶望に打ち拉がれているのならば、聴いてごらん。忘れかけていた君の心の中にある光が、一瞬にして輝き出すから。とてつもなく優しくて愛おしい。最高の音楽である。

保坂壮彦(ALL IS LOVE IS ALL

※『MUSICA20125月号から引用 ※





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